チェ・ゲバラを見る前に

そっちぇい

今公開中のエルチェを見る前に予備知識として彼が訪れたラテンアメリカの国々の歴史を彼が没する1967年前後までさくっと紹介しようと思う頭の片隅に留めて貰えればさいわいである

「アルゼンチン」

1543年、アンデスにスペイン人が最初の入植地を開いた。インカの進攻を食い止めてきた先住インディオは、90年代に入るまでスペイン人による東部での入植も食い止めていた。

1816リオデラプラタ州連合、独立を宣言。以後70年に及ぶ中央集権派と州連邦派による内戦

1835~52ファン・マヌエル・ロサスによる独裁

1853連邦制設立

1857ヨーロッパ人、パンパへの入植を開始。1930年にはその数600万人に上る。200家族により、土地の大半が少数支配される

1877初の冷蔵船による、ヨーロッパへの冷凍牛肉貿易開始

1878~83パンパ・インディオは、ヨーロッパ人との戦闘でほぼ全滅

1916イポリト・イリゴーエン、初の民主的大統領選で勝利

1930軍事クーデターにより、共和国憲法が無効となる

1943再度、クーデターが起こる。ファン・ペロン、労働組合を組織

1946ファン・ペロン将軍、軍部と労働者組織の支援により大統領に選出

1952ファン・ペロンの夫人で、労働者の福祉にかかわり、カリスマ的人気を集めていたエバ・ペロン、白血病で急死

1955軍事クーデターでペロンを追放。インフレになり、ストライキが起き、失業率が上がる

1973ペロン、マドリードでの亡命から帰国し、大統領に再選

「チリ」

1535年、スペインが初めてチリを征服しようとするが、先住民アラウカン族の激しい抵抗にあった。チリは1818に独立するまでスペインの支配下にあった。

1817~18ベルナルド・オイギンスがアンデスの共和党軍を率いてチャカブコとマイプーの戦いで王党派を破る

1879~83ボリビアとペルーとのあいだで太平洋戦争。チリは硝酸塩を産出する貴重な地域を獲得

1891~1924政情混乱の拡大により議会共和制の終焉

1936~46共和党、急進党、社会党が共同人民戦線を形成し、勢力を強化

1943第二次世界対戦でアメリカを支援

1946~64右翼のチリ諸大統領はアメリカのマッカーシーの政策に従い、左翼を政界から追放する

1964~70キリスト教民主党(PDC)政権の社会政策により、右翼は疎外される

1970サルバドール・アジェンデが当選。急激なマルクス主義的改革により、経済が大混乱に陥る

「ペルー」

二人の支配者による争いが続いていたインカ帝国時代。1532のフランシスコ・ピサロの到着はスペインによる植民地化の始まりと帝国の滅亡を告げた。

1821チリを独立させたアルゼンチンの解放者ホセ・デ・マルティンが侵攻し、リマでペルーの独立を宣言

1824ベネズエラとコロンビアの解放者シモン・ボリバルやゲン・スラーによるアヤクチョやプニンでの戦いによってスペインは最後の敗北

1836~39ペルーとボリビアは短期間の同盟に加わった

1866ペルー人とスペイン人の戦い

1879~84太平洋戦争。チリはペルーとボリビアを破る。ペルーは南部の領土を失う

1908アウグスト・レギア・サルセドの独裁的支配

1909アメリカが公共事業への融資を開始

1924ビクトル・ラウルハヤが共産主義の国粋主義者を統一し、メキシコのキエールでアメリカ改革人民同盟(APRA)を結成

1930レギアが権力を獲得。アメリカ革命同盟がペルー初の政党になる

1931~45APRAの活動が禁止される

1939~45穏健な文民による親米国家

1948~56APRAの活動が再び禁止

1956~62文民による政府

1962~63二回の軍隊による政変

1963フェルナンド・ベラウンデ政権の誕生。国家の改革。共産主義者に吹き込まれた暴動は軍隊が鎮圧していた

1968暫定軍事政権が引き継ぐ。貧困を多少とも解消しようと大規模な国有化政策を実施

「ボリビア」

アイマラ文化は1400年代後半にインカにより征服された。50年後、インカは征服者に負けた。そして高地ペルーはリマから来たスペイン人によって支配された。

1545セロ・リコ、ポトシで銀山を発見し、スペインに莫大な富をもたらす

1776高地ペルーが、ブエノスアイレスを中心に置く、リオ・デ・ラプラタ副王領の一部になる

1809シモン・ボリバルがチュキサカ(スクレ)、ラパス、コチャバンバなどで、ラテンアメリカ初の革命を指揮するが失敗

1824ボリビア人将軍ホセ・デ・スクレによりスペインが最終的に敗北

1825独立

1836~39ペルーとの連合はアンドレ・デ・サンタクルスが大統領の地位にあるなかで、失敗に終わる。国内の混乱で裕福な地方コーディロスの権力争い起こる

1864~71マリアーノ・メレガレホによる残忍な支配。先祖伝来の土地を略奪され、三度の先住民による反乱

1879~83太平洋戦争。ペルーはチリに対抗するボリビアを助ける。チリが硝石資源の豊かなアタカマ地方を侵略。チリが勝利。ボリビアは内陸国のままになる

1880~1930安定したリベラルー保守、交互の時期。活力ある鉱業の輸出が利益をもたらす

1903ゴムの豊富なアクレ地方がブラジルとの紛争のあと、支配される

1914共和党の創立

1923鉱山労働者にたいする残忍な鎮圧

1932~35パラグアイとチャコ戦争。ボリビアはチャコの四分の三を失う。急進主義や労働運動が盛り上がる

1951民族革命運動(MNR)のビクトル・パス・エステンソロ、大統領に選出。軍部がクーデター

1952革命。パス・エステンソロとMNR復活。国の再編が先住民の地位を改善。教育の見直し、普通選挙権、スズ鉱山の国有化

1964軍部がクーデターで政権掌握

1967ボリビア労働者を組織しようとしているチェ・ゲバラ、暗殺される

1969~79軍部政権が締め付けを次第に強化。79年、クーデター失敗。暫定民政支配

続きはまたあとで

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